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「統合失調症」をめぐるトピックス

「回復困難」から「回復可能」な疾患へ―統合失調症の疾病観および治療観の変遷

統合失調症はかつて精神分裂病と呼ばれ、発症後の回復は難しいと考えられてきた。しかし今日では、その疾病観は大きく変わった。すなわち、「胎生期や周産期など、人生の早い時期に獲得された脆弱性によって社会不適応をきたしやすく、精神病の病像を繰り返しやすいものの回復の可能性もある疾患」と考えられるようになっている。

こうした疾病観の変化は、治療観にも大きな変化をもたらすことになる。かつては、患者本人、そして周囲がもっとも苦しめられる急性期の症状の鎮静が治療の最大の目的であった。そのために抗精神病薬の多剤大量投与が行われ、その結果、錐体外路症状などが問題視されるようになる。その後、統合失調症の回復の可能性への期待が高まると、機能の回復、さらには社会復帰に焦点を当てた治療が求められるようになった。現在では、至適投与量の抗精神病薬を、基本的には単剤投与で用い、必要に応じて抗不安薬や抗うつ薬などを補助的に併用する治療が主流となっている。こうした治療を可能にしたのが第二世代抗精神病薬の登場であり、今日では統合失調症の治療の中心となっているのである。

「回復困難」から「回復可能」な疾患へ

ストレスへの二方向からのアプローチで患者さんの心理的な回復を援助―統合失調症治療戦略の基本的な考え方

統合失調症の特徴を理解するうえで、「精神病に陥るかどうかは、ストレスに対する抵抗力と、ストレスの大きさの関係で決まる」という考え方が広く受け入れられている。ストレスへの抵抗力が低ければ、わずかなストレスでも統合失調症を発症するというものだ。そこで統合失調症の治療は、「ストレスへの抵抗力を強める」と「ストレスを軽減する」ことの双方からアプローチすることが重要となる。

ストレスへの抵抗力を強めるための治療と位置づけられるのが、薬物療法、そして心理社会療法だ。一方、ストレスを軽減する治療としては、家族教育や生活支援が重要な意味を持つ。これらの治療法を組み合わせて患者さんの心理的な回復を援助していくことが、基本的な治療戦略の考え方ということになる。

したがって、統合失調症の治療には、医師のみならず、薬剤師、看護師、ソーシャルワーカーなどによるチーム医療が重要であり、チームスタッフ全員が、治療の意義やそのゴールを共有し、それぞれの専門性を発揮しながら主体的に取り組むことが望まれているのである。

(Vol.15 No.3 2011年12月更新)

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